奥歯は、銀歯とセラミックどちらがいい?

奥歯の被せ物は素材を選べます

奥歯の虫歯治療をするとき、歯を削った後に取り付ける被せ物は、その素材を選ぶことができます。

銀歯

銀歯

前歯ほど目立たず、また噛んだときに強い力がかかるため、保険診療の場合は銀歯となります。
見た目が気になるか気にならないかには、個人差があります。ただお口を開けたとき、目立ってしまうことは確かです。
費用は抑えられますが、審美性・機能性は高くありません。

セラミック

セラミック

自費診療では、セラミックという白い陶製の材料を使用することができます。
まわりの歯と調和した白さで被せ物をつくるため、お口を開けたときもまず人工物だとは気づかれません。
費用はかかりますが、審美性・機能性に優れた材料です。

徹底比較!セラミックと銀歯のメリット・デメリット

セラミックと銀歯、それぞれのメリット・デメリットを徹底的に比較していきましょう。

【セラミック治療】メリット

審美性に優れている

ただ白いだけでなく、天然歯のような透明感のある色調が再現されます。周囲の人に人工物だと気づかれることはまずありません。

経年劣化しづらい

金属とは異なり、経年劣化が非常に緩やかです。色調・質ともに、長持ちします。

虫歯の再発率が低い

セラミックは、金属やプラスチックよりもプラークが付着しにくい性質を持っています。そのため、虫歯、および歯周病のリスクが抑えられます。

金属アレルギーのリスクがない

歯科金属を原因とする金属アレルギーの心配がありません。
※メタルボンドは、内側に金属を使用しています。金属アレルギーの方にはおすすめできません。

【セラミック治療】デメリット

歯ぎしり・食いしばりなどで割れることがある

強い力がかかったときには、割れてしまうことがあります。これを防ぐためには、ナイトガード、マウスピースの使用が有効です。

コストが高い

自費診療となりますので、歯科医院によって差はありますが、一般に費用が高額になります。ただし、10年、20年と使用できることを考えると、コストパフォーマンスは高いと言えます。

歯を削る量が多い

被せ物を取り付ける際、歯の形を整える必要があります。そのときの歯を削る量が、セラミックの場合は銀歯よりも多くなります。これは、材料の強度という面では銀歯の方が優れているためです。

【銀歯】メリット

費用が安い

保険診療となるため、費用が抑えられます。

強度が高い

セラミックのように、強い力がかかったときに割れるということはまずありません。
ただし、天然歯よりもずいぶんと硬いがゆえに、噛んだときに支台歯(修復物を取り付けた歯)が割れてしまうということがあります。

【銀歯】デメリット

審美性が低い

銀歯は、キラキラ、ギラギラとしています。天然歯の色調に近いかという観点からは、審美性が低いと言えます。

虫歯が再発するリスクが高い

銀歯は唾液に触れることで少しずつ溶け出しを起こし変形します。また、セラミックほど強固に接着できないため、プラークが溜まりやすくなり、虫歯の再発リスクは徐々に高くなっていきます。

金属アレルギーのリスクがある

唾液にさらされることで溶け出した金属イオンは、体内に蓄積され、あるとき金属アレルギーを発症することがあります。

奥歯には「銀歯」「セラミック」どちらがおすすめ?

奥歯には「銀歯」「セラミック」どちらがおすすめ?歯科医院として、お口の健康のことを考えると、やはり「セラミック」をおすすめします。
ただ、費用が高額であることなどから、躊躇う方も少なくないかと思います。もし何かご不明の点がございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
最終的に銀歯を選択するという場合にも、銀歯のデメリットを知っておくことで、お口の健康への意識が高まります。

銀歯とセラミックで迷っている…セラミックの欠点を解消する方法

高コスト⇒セラミックの予算を抑えられる素材を

セラミック治療の中でも、「ハイブリッドセラミック」であれば費用を抑えられます。金属アレルギーの心配がありませんし、銀歯と比べると経年劣化も緩やかです。
なお当院では、CAD/CAMを搭載し自動でセラミックを設計・作製する「セレック」を導入しているため、セラミック治療は全般的に低価格で、かつ短期間で提供することができます。

強い力がかかると割れすい⇒強度の高い素材を

割れやすいということが心配な方は、圧倒的な硬度を誇る「ジルコニア」がおすすめです。
また、歯ぎしりや食いしばりで割れることが心配な場合には、ナイトガードや日中に装着するマウスピースを使用するという方法もあります。

銀歯をセラミック歯に交換したい方へ

現在ご使用の銀歯を、セラミックの被せ物に交換するということが可能です。
銀歯の見た目が気になる、金属アレルギーが心配、すでに金属アレルギーの症状が出ているという場合には、ぜひ一度ご検討ください。

奥歯におすすめのセラミックの種類

奥歯のセラミックとして、特におすすめしたい3種をご紹介します。

ハイブリッドセラミック

レジン(歯科用プラスチック)とセラミックを混合した材料です。適度な摩耗性があり、咬み合う歯を傷つけません。審美性という点ではジルコニアセラミックやe-maxには及びませんが、あまり人目につかない奥歯であれば、十分に自然な調和が得られます。
費用が抑えられるのも大きなメリットです。

ジルコニアセラミック

人工ダイヤモンドとも呼ばれる、高い硬度を誇るセラミックです。強い力のかかる奥歯であっても、問題なく使用できます。
一方で、前歯にも使用できるほどの優れた審美性も兼ね備えます。

e-max

高い透明感、強度を兼ね備えた新しいセラミックです。
特に前歯に使用したときにその美しさが発揮されますが、奥歯にも問題なく使用できます。また、適度な摩耗性を持ち、咬み合う歯を傷つけません。