セレック(CAD/CAM)とは
白い陶製の材料「セラミック」で詰め物や被せ物の作製は通常、型取りおよび模型をもとに歯科技工士が手作業で行っています。
セレックシステムとは、CAD/CAMによってセラミックの詰め物・被せ物を自動で設計・作製するシステムです。歯科技工士へと依頼する必要がないため、低価格・短期間(最短1日)でセラミックの詰め物や被せ物の治療が終えられます。
なお、セレックで使用する材料は、工場で規格生産された高品質セラミックブロックです。低価格だから質が悪いというものではありませんので、どうぞ安心してご相談ください。
このような方におすすめです
- 虫歯治療の際、セラミックの詰め物・被せ物を使いたい方
- 現在使用している金属の詰め物・被せ物をセラミックに交換したい方
- 一般的なセラミック治療より、費用を抑えたい方
- 短期間での治療を希望している方
- 金属アレルギーの方、金属アレルギーが心配な方
- 金属の詰め物・被せ物の見た目に抵抗がある方
- 再発しにくい材料で虫歯を治療したい方
「セレック」と「セラミック」の違い
「セレック」と、従来の「セラミック」には、以下のような違いがあります。
作製方法
セレックは、製造業における金型の作製・部品加工などでも使用される「CAD/CAM」を搭載したマシンです。口腔内スキャナーで取得したデータを元に、理想的な詰め物・被せ物の形状を自動で設計し、さらに削り出し(ミリング)まで行います。
一方でセラミック治療の場合、歯科技工士が手作業で詰め物・被せ物を作製します。その分、どうしても時間と費用がかかります。
治療期間
セレックの場合、口腔内スキャナーによる撮影から詰め物・被せ物の設計と作製、さらには取り付けまでを、最短1日で完了できます。
一方でセラミック治療の場合には、型取りをして、模型を作り、そこから歯科技工士が詰め物・被せ物を作製するため、2週間~1ヵ月ほどの期間を要します。
セレック(CEREC)のメリット・デメリット
メリット
最短1日で終わる治療期間の短さ
初診で受診し、口腔内スキャナーの撮影、セレックによる設計・作製、そして取り付けまでを、最短1日で終えることができます。
低コストで高精度
作製の工程がシステム化されており、手作業による時間・手間を省略できることから、通常のセラミック治療と比べて費用が抑えられます。
また、口腔内スキャナーによって歯型の精密なデータが取得するため、修復物の精度も高く保たれます。
変色が少ない
セラミックはもともと、白いプラスチックと比べて変色しにくい性質を持っています。
使用期間が長くなればなるほど、その差は開いていきます。
高品質で高耐久
材料となるセラミックブロックは、厳格に管理された工場で規格生産されたものです。
密度が一定に保たれた高品質かつ高耐久のセラミックブロックから、詰め物・被せ物を削り出します。
デメリット
強い力で破損する可能性がある
手作業で作るセラミックの詰め物・被せ物にも言えることですが、強い力が加わったときに、割れてしまうことがあります。
なお歯型および詰め物・被せ物のデータはコンピュータ上に保存されているため、修理が難しい場合には速やかに再作製を行うことが可能です。
適応できない症例がある
ブリッジに使用する被せ物など、一部の症例についてはセレックを使用できません。
保険適用でない
セレックによる詰め物・被せ物の治療は、自費診療となります。
ただし、手作業によるセラミック治療と比べると費用が抑えられます。
セレック(CEREC)治療の流れ
Step1.口腔内のスキャン【約5分】
口腔内スキャナーで、口腔内を撮影します。小型の機械をお口に差し込むだけで、非接触のスキャンができます。
従来の、印象材を用いた型取りは原則不要です。
Step2.修復物の設計【約15分】
スキャンして取得したデータを元に、詰め物・被せ物を設計します(CAD)。
Step3.修復物の作製【約10~20分】
設計図を元に、セラミックブロックを削り出し、詰め物・被せ物を作製します(CAM)。
なお、セラミックブロックはさまざまな白さが用意されていますので、患者様と相談しながら、適切な白さのブロックを選定します。
Step4.口腔内にセット
できあがった詰め物・被せ物を口腔内へとセットし、治療は終了です。
ドイツでの調査によると、セレックによる修復物の10年後残存率は96%にものぼります。
当院で行うセレックの費用
料金 | |
---|---|
セレックインレー | 66,000円(税込) |
セレッククラウン | 143,000円(税込) |
セレッククラウン(前歯) | 82,500円(税込) |