歯医者に行くことの感染リスク
新型コロナウイルス感染症の流行に関連して、「受診控え」が問題になりました。実際に、「歯医者に行くと感染するのではないか?」という声もきかれました。
しかし客観的に見て、歯科医院での感染リスクは非常に低いものと言えます。と同時に、受診控えは、虫歯や歯周病を放置するリスク、また不安のあるまま生活するストレスの増大が懸念されます。
治療・予防のいずれにおいても、必要なときにはきちんと歯科医院を受診されることをおすすめします。
歯科治療において感染リスクが低い理由
1通常時から飛沫による感染予防対策を行っている
歯科医院は医療機関です。一般家庭や商業施設よりも厳格な管理のもと、換気、清掃、消毒、マスク・グローブの着用など、コロナ禍以前から感染予防対策が講じられています。
また現在ではこれに加え、どの歯科医院でも感染予防対策を強化しています。
2使用機器には滅菌機、ディスポーザブルを使用している
患者様に使用した機器は、その都度滅菌器による滅菌を行っています。またこの洗浄、消毒、滅菌という工程は、ガイドラインに準拠して行われます。
さらに、可能なものについてはすべてディスポーザブル(使い捨て)の製品を使用しています。
3口腔内のケアがウイルス感染や重症化のリスクを下げる
口腔内の細菌は、ウイルスの感染を容易にする酵素を出します。つまり、歯科医院にきちんと通い口腔を清潔にしていることで、むしろウイルス感染・重症化のリスクが抑えられます。
当院で導入している院内感染対策
滅菌パック
繰り返し使用する器具については、滅菌パックに密封して保管しています。そして、次の使用直前に開封します。これにより、器具が汚染されるリスクを限りなくゼロに近づけることができます。
ジェットウォッシャー
滅菌をする前の洗浄・消毒においては、ジェットウォッシャー「Miele G7881」を導入しています。
上部、真ん中、下部の3箇所の洗浄アームから、強力な水流と洗剤を噴射し、器具に付着した血液・唾液などの汚れを落とします。
仕上げには、93℃の熱水にてすすぎを行うことにより十分な消毒が可能です。
滅菌器
ヨーロッパ基準(EN13060)でもっとも厳しい基準をクリアした、クラスB(最高クラス)の「オートクレーブLisa(W&Hステリライゼーション社製)」を導入しております。
滅菌前に真空と蒸気注入を繰り返すことにより、複雑な形状をした器具でも細部まで蒸気が行き渡ります。この時点で、温度は50℃から最高100℃にまで達しています。
なお、歯を削る機械(ハンドピース)についても、当院では患者様ごとに滅菌しております。汚染されたまま使いまわすということは絶対にありません。
診療チェア
1990年代より、歯科チェアの給水管内に形成される『バイオフィルムによる汚染』が注目されるようになりました。
バイオフィルムによる汚染がなぜ歯科チェアの給水管内で起こるのか、考えられる原因は診療時間外に、歯科チェアの給水系チューブ内の遊離残留塩素が減少してしまうため、水道水が本来有している塩素がなくなり そのため、細菌が急激に増殖してバイオフィルムを形成すると考えられております。
診療中には多量の水を使用しますが、当クリニックでは歯科チェアの給水に中性電解水「ポセイドン」を使用することにより、見えないところにもこだわり衛生的な環境整備を行っています。
空気清浄機+医療機関用空気清浄装置エアロシステム35M
クリニック内では空気清浄機を備え付け、常時稼働させています。しかし、歯科医院内に浮遊する金属や歯、プラスチックなどの粉塵、各種の汚染物質、ホコリや細菌、ウイルスなどは、床に落ちるものと、空気中に浮遊しているものが存在します。一般的な空気清浄機は床に落ちているホコリ、細菌やウイルスには効果がありますが、空気中に浮遊しているものに関しては効果があまりありません。
当クリニックの各フロアーの天井に設置している医療機関用空気清浄装置エアロシステム35Mは、一般的な据置型の空気清浄機の約7~10倍、毎分35立方メートル(㎥)の処理能力、塵効果が高い2段式電気集塵方式と高効率集塵ユニットによって、浮遊している粉塵や各種の汚染物質の98%以上をしっかりと吸着します。
電気集塵方式は、一般のフィルター方式では除去しにくい0.01ミクロンの小さな浮遊物質もキャッチします。
例えば、他の患者さんの咳によって空気中に飛び散った唾液の飛沫や細菌なども強力に吸引吸着します。
これにより、歯科医院内に浮遊する金属や歯、プラスチックなどの粉塵、各種の汚染物質、ホコリや細菌、ウイルスなどを強力に集塵、除菌することで、当クリニックは床から天井まで、歯科医院内で発生するほぼすべての汚染物質を速やかに取り去り、理想的な環境を作っております。