悪い歯並びの種類・原因・治す方法

良い歯並びの基準ってあるの?

良い歯並びの基準ってあるの?まずは、良い歯並びがどのようなものか理解しておきましょう。
良い歯並びの条件としては、以下の4つが挙げられます。

  1. 上下の前歯の隙間が一致している
  2. 上の前歯が、下の前歯よりも2~3ミリ前方にある
  3. 上の前歯が、下の前歯に2~3ミリかぶさっている
  4. 前歯の次の歯から、上下の歯が交互に咬み合っている

矯正歯科治療をした方がいい?治療できる「悪い歯並び」の種類や例

矯正歯科治療をした方がいい?治療できる「悪い歯並び」の種類や例良い歯並びの条件に当てはまらない場合は、基本的に「悪い歯並び」といえるでしょう。
具体的には、どのようなものがあるのでしょうか。

出っ歯(上顎前突)

上の前歯が、下の前歯より大きく前方にある状態です。歯が斜めに生えているために起こる出っ歯と、上顎自体が前方に出ている出っ歯があります。

受け口(下顎前突)

下の前歯が、上の前歯よりも前方にある状態です。こちらも、出っ歯と同様に、歯が斜めに生えているために起こる受け口と、下顎が前方に出ている受け口があります。

ガタガタ歯・八重歯(叢生/そうせい)

歯列が前後にガタガタしていたり、一部だけ歯列から飛び出したりしている状態です。他に「ガチャ歯」「乱杭歯」などとも呼ばれます。犬歯が飛び出した叢生のことを特に「八重歯」と言います。

すきっ歯(空隙歯列/くうげきしれつ)

歯と歯のあいだがひろくあいている状態です。顎が大きい、歯そのものが小さい、歯の数が少ないといったことを原因とします。
なお、乳歯列期のすきっ歯はほとんどのケースで問題ありません。生え替わりによる解消が期待できます。

オープンバイト(開咬)

上下の奥歯を噛み合わせたとき、前歯に上下方向の隙間が生じる状態です。指しゃぶりや舌を出す癖、爪を噛む癖などが原因になりやすい歯並びです。

深い噛み合わせ(過蓋咬合/かがいこうごう)

上の前歯が、下の前歯に大きくかぶさっている状態です。下の歯が上に歯に隠されてほとんど見えなくなるケースもあります。

口ゴボ

上の前歯と下の前歯、その両方が前方に突き出しており(上下顎前突)、外から見た時にも口元に膨らみがある状態です。

歯並びが悪くなる原因は?

歯並びは、誰でも悪くなる可能性があります。原因としては、主に以下のようなものがあります。

遺伝

顎の大きさ、歯の大きさなどは、親から子へと遺伝します。そのため、歯並びにも遺伝性があり、歯並びが悪い方のお子様は、そうでない親子と比べると、歯並びが悪くなりやすいと言えます。
ただ、遺伝が占める歯並びへの影響は2~5%と言われており、それ以外の要因が大きく働いているものと考えられます。

口の悪習慣・悪習癖

舌で歯を押す癖、口呼吸、指しゃぶり、爪噛み、頬杖、うつぶせ寝などは、歯・顎に不正な力をかけるため、歯並びの乱れの原因となります。
指しゃぶりは4歳ごろまでに、それ以外の癖はできるだけ早く改善することが大切です。

顎の発育不良

現代は硬いものを噛む機会が少なくなり、全体的に顎の発育が不十分になっています。またその中でも、よく噛む習慣が身に付いていない場合には、さらにスペースが不足して、歯並びの乱れを起こす可能性が高くなります。

虫歯・歯周病

虫歯や歯周病で歯を失うと、あいたスペースに隣の歯が移動し、歯並びが乱れます。永久歯だけでなく、乳歯の虫歯で歯を失った場合も同じことが起こります。「生え変わるから」と放置せずにきちんと治しましょう。
また、放置した虫歯の痛みを避けて反対側の顎ばかり使う、歯周病が進行し顎の骨が溶けることも、歯並びに悪影響を及ぼします。

歯並びを自分で治す方法はない?悪い歯並びの治し方

歯並びは、自分で治すことはできません。歯科医院で矯正治療を使って治す必要があります。歯並びに良くない癖の改善などは、あくまで補助的に、これ以上の歯並びの乱れを防ぐため、あるいは歯並びの乱れを予防するために行うものです。

マウスピース矯正(インビザライン)

マウスピース矯正(インビザライン)

透明のマウスピースを1~2週間ごとに交換し、微弱な力を継続的にかけることで、痛み少なく歯を動かす治療です。装置が目立たないというのが、最大の特徴です。
また、歯磨きや食事の際にはマウスピースを取り外せるため、ワイヤー矯正のような磨きづらさ、食べづらさがありません。

部分矯正

歯の表側に取り付けたブラケットにワイヤーを通し、部分的に歯を動かす方法です。基本的に、対象となるのは前歯の1~2本です。軽度の出っ歯、歯が捻じれている・傾いているといった場合に適応となります。
前歯は奥歯よりも動きやすいため、次にご紹介するすべての歯を動かすワイヤー矯正と比べると、治療期間が短くなります。また、費用も抑えられます。

ワイヤー矯正

ブラケットとワイヤーを使って、すべての歯を動かす方法です。装置が目立ってしまうのが難点ですが、ほとんどの症例が適応となるため、マウスピース矯正が流行している現在でも重用されています。
少しでも目立たないようにと、白色のワイヤー、白色・透明のブラケットなども登場しています。

インビザライン+ワイヤー矯正

目立たないマウスピース矯正 インビザライン

インビザラインは優れた矯正方法ですが、いくつかの苦手な動きがあります。まずワイヤー矯正でその歯並びを改善し、仕上げにインビザラインを使用することで、ワイヤー矯正による「装置が目立ってしまう期間」を最小限に抑えた矯正治療が可能になります。
このようにインビザラインとワイヤー矯正を併用する方法を、ハイブリッド矯正と呼びます。

セラミック矯正

歯を動かすのではなく、天然歯を削って形を調整したセラミックの被せ物を取り付けることで、歯並びを改善する方法です。大きく傾いた歯ほど削る量が多くなるため、軽度の歯並びの乱れに向いています。また、歯の生える位置は変えられないため、大きく飛び出した歯などには使用できません。
被せ物を使用するため、歯の色・形・大きさを同時に調整でき、かつ治療期間が短い点がメリットです。また、基本的に後戻りが起こる心配もありません。