マウスピース矯正「インビザライン」とは
インビザラインとは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発・製造するマウスピース型の矯正装置です。
透明な材料で薄く作られたマウスピースは装着してもほとんど目立ちません。見た目の良さだけでなく優れた機能によって快適な矯正治療を可能にするシステムとして、世界100カ国以上で使用されています。
国内外で高い評価を受けており、今後さらに広く普及することが予想されています。
このような方におすすめです
- 装着時も目立たない装置がいい
- 食事・歯磨きの際には取り外せる装置がいい
- 金属アレルギーが心配
- ワイヤー矯正の痛みが心配
- 虫歯や歯周病になりにくい装置を選びたい
- 矯正はしたいけれどワイヤー矯正には抵抗がある
後悔しないために知っておきたいメリット・デメリット
メリット
ワイヤー矯正のように目立たない
ギラギラしたブラケットとワイヤーを用いるワイヤー矯正とは異なり、透明で薄いマウスピースを装着する治療ですので、口元の見た目には大きな変化がありません。
治療後の歯並びについてシミュレーションができる
治療を経てどのような歯並びが完成するのが、事前にシミュレーションを行います。シミュレーションは3D画像となってモニターに映し出されますので、治療の効果が具体的にイメージされ、患者様はより前向きな気持ちでスタートを切れます。
なお当院では、インビザラインと唯一連携する3D光学スキャナー「iTero」を導入しておりますので、従来の印象材を用いた型取りは不要です。
治療中の食事に制限が少ない
食事の際には、マウスピースを外します。そのため、装置が邪魔で食べづらい・食べ物が装置に詰まるということがありません。またワイヤー矯正では避けるべきとされているキャラメルなどの粘着性の強いもの、硬いものなども、装置を外すため問題なく食べられます。
※食べたあとは、歯を磨いてマウスピースを装着する必要があります。
デメリット
対応できない症例がある
歯の位置や傾斜ではなく骨格に大きな問題がある出っ歯や受け口、重度の歯周病があるケースなど、一部の症例には対応できないことがあります。
適応の広さという面では、ワイヤー矯正に軍配が上がります。
1日の装着時間を守らないと効果が出ない
インビザラインは、1日20時間以上の装着時間を守って、初めて計画通りの効果を得ることができます。食事・歯磨きの際には取り外すため、それ以外の時間はほぼ着けっぱなしとお考えください。
噛み合わせが悪くなる場合がある
マウスピースの影響によって奥歯が沈むなどし、噛み合わせが悪くなることがあります。
こういった事態を避けるためにも、インビザラインによる矯正治療の経験が豊富な歯科医院・歯科医師を選ぶことが大切です。
インビザラインの限界―治療できない人・症例
近年、インビザラインにはさまざまな改良が加えられ、適応の幅が広がってきています。
しかしそれでもやはり、以下のようなケースでは十分な効果が見込めず、適応とならないことがあります。
重度の歯周病
すでにグラつきが現れているような重度の歯周病の場合、そのままインビザラインによる矯正治療を行うと、歯の脱落を招くことがあります。
まずは歯周病の治療を行い、それから矯正治療の可否を検討すべき症例です。
重度な歯のガタガタ(叢生/そうせい)
重度の歯のガタガタとは、特に一部の歯が本来の歯列から大きく飛び出しているようなケースです。こういった、歯を大きく動かす必要がある場合には、インビザラインが向かないことがあります。
重度な出っ歯、受け口
歯の位置や傾斜の問題ではなく、骨格の位置関係に大きな問題がある出っ歯や受け口の場合には、インビザラインでの治療ができないことがあります。ただこの症例については、ワイヤー矯正でも治療が困難であるケースが多く、その場合には顎の骨を切断する外科手術を検討することになります。
抜歯すべき歯の本数が多い
スペースが大きく不足していると、場合によっては4本の抜歯の上で、歯を動かさなければならないことがあります。
このようなケースでは、歯の移動距離が長くなるために、インビザラインが向かない可能性が高くなります。
多数のインプラントが入っている
インプラントは天然歯と異なり、歯の根を覆う膜「歯根膜」がありません。そのため、インプラントを動かすということはできません。
インビザラインではなく、ワイヤー矯正が適応になる可能性が高くなります。
インビザラインの治療例
インビザラインは治療の際に、口腔内をスキャンして歯の動きを確認する「クリンチェック」が可能です。
当院で行った治療の一例をご覧ください。
費用
成人矯正(インビザライン) | 935,000円 |
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【インビザライン】よくあるご質問
インビザラインによる治療期間は、2~3年ほどです。
治療期間は、現在の歯並びの乱れの程度によって、おおよその見当がつきます。まずは歯科医院を受診し、どれくらいの治療期間になりそうなのか、確認してもらいましょう。
インビザラインは、1~2週間ごとにマウスピースを交換し、微弱な力を持続的にかけることで歯を動かします。比較的大きな力がかかるのが、マウスピースを初めて装着した直後、交換した直後です。ただそのときに生じた痛みも、通常はその日のうちか数日以内には治まります。
1ヵ月に1回の調整頻度であり、その調整の際には特に大きな力がかかるワイヤー矯正と比べると、痛みは抑えられます。
インビザラインは、顎の骨の状態が良好であれば基本的に何歳であっても受けられます。
これは、ワイヤー矯正にも同じことが言えます。50代や60代でも、インビザラインやワイヤー矯正による治療を受け、またしっかりと歯並びを改善している方がいます。
インビザラインは、1~2週間で交換するマウスピース1つあたり約0.25ミリ、歯を動かします。そのため、2~3ヵ月くらいは、なかなか変化が分からないかもしれません。
6ヵ月くらい経過すると、多くのケースにおいて患者様がその効果を実感されています。
インビザラインのマウスピースは、1~2週間に1回です。1~2週間と幅があるのは、年齢や歯の動きやすさによって、適切な交換のタイミングが異なるためです。
その都度、歯科医師が指示を出しますのでご安心ください。
たとえば叢生(歯列が前後にガタガタした状態)の場合、多くのケースではスペースが不足しているため、奥歯を後方に動かすことができないと、そのしわ寄せによって出っ歯を招くことがあります。
そのような可能性があることを十分に理解し配慮できる、経験豊富な歯科医院・歯科医師に相談しましょう。その上で、その歯科医師の指示をしっかりと守ることで、治療の失敗を防ぐことができます。
もしご不安なようでしたら、受診した歯科医院で実際にこの質問をしてみるとよいでしょう。